「編み物」と聞くと、なんだか難しそうで、道具を揃えるのも大変そう。そんなイメージを持っていませんか。実は今、100円ショップ、いわゆる「100均」のグッズだけで、誰でも驚くほど簡単に編み物を始められる時代になっています。おなじみのダイソーやセリアといったお店の棚には、カラフルで質の良い毛糸や、編み物に必要な道具が驚くほど充実しているのです。手芸の世界に憧れはあっても、最初の一歩が踏み出せなかったという人も多いかもしれません。この記事では、編み物まったくの初心者さんでも安心してスタートできるよう、100均で揃う道具や毛糸の賢い選び方から、基本的な編み方、そして「私にもできた」という達成感を味わえる簡単な小物の作り方まで、一つひとつ丁寧に解説していきます。
まずは道具を揃えよう
編み物に必要な基本的なアイテム(編み針、毛糸、とじ針、はさみなど)はどちらの店舗でも網羅されていますが、それぞれに特徴があります。
ダイソーは、ジャンボ編み用の太い針や、ユニークな素材の毛糸など、トレンドや遊び心のあるアイテムが見つかりやすいのが魅力です。
セリアには、デザイン性の高いおしゃれな毛糸や、アンティーク風のハサミなど、細やかでセンスの良い手芸用品が充実しています。
かぎ針と棒針、初心者におすすめは?
編み物には「かぎ針編み」と「棒針編み」の二つの主要な方法があり、どちらも100均で道具が手に入ります。
かぎ針編みは、先端が鉤状になった一本の針で編みます。編み地がしっかりしやすく、コースターやあみぐるみなどの小物作りに向いています。
棒針編みは、二本の棒状の針で編みます。伸縮性のある柔らかな編み地が得意で、セーターやマフラーなどの身につけるものに適しています。初心者には「かぎ針」から始めるのが最もおすすめです。その理由は、編み目を数えやすく、もし間違えてもほどいてやり直すのが比較的簡単なため、最初の成功体験を積みやすいからです。
100均毛糸の魅力と選び方
今の100均の毛糸コーナーを覗いてみると、その種類の豊富さに驚かされます。定番のアクリル毛糸は、発色が良く丈夫で扱いやすいため、初心者の練習用やカラフルなエコたわし作りにも最適です。ウール混の毛糸は、100均とは思えないほど柔らかな手触りのものも多く、マフラーや帽子といった冬のあったか小物におすすめです。コットン糸やジュート(麻)、さらさらとした手触りのコットン糸や、夏の手芸に人気のジュートや紙素材の糸まで、季節や用途に合わせた様々な素材が並んでいます。さらに、最近ではラメ糸が上品に混じったものや、編むだけで自然と模様が浮かび上がる段染め(グラデーション)の毛糸など、デザイン性の高い人気の毛糸も増えてます。
編み物初心者が最初に選ぶ毛糸
自信を持っておすすめするのは、ずばり「アクリル毛糸の並太(なみぶと)から極太(ごくぶと)」です。これには明確な理由があります。アクリル素材は適度な滑りがあるため、編み針がスムーズに動かしやすく、初心者のぎこちない手でもストレスが少ないのです。太い毛糸は編み目の一つひとつが大きくなるため、目が見やすく、数えやすいという最大のメリットがあります。自分が今どこを編んでいるのかが把握しやすいと、上達も早く感じられます。逆に、細すぎる糸や、ふわふわとした毛足が長いファンシーヤーンと呼ばれるデザイン毛糸は、編み目が見えにくく難易度が格段に上がるため、もう少し慣れてからの楽しみに取っておくのが無難でしょう。
ゼロから始める。基本の編み方
かぎ針編みの基本、全ての土台となるのは、最も簡単な繰り返し動作で作る「鎖編み(くさりあみ)」です。まずはこれをまっすぐ編む練習が推奨されています。次のステップは、編み地に高さを出す「細編み(こまあみ)」です。この細編みができるようになれば、コースターやポーチといった平面的な小物が作れるようになります。
棒針編みの基本、棒針編みのほとんどの模様は、「表編み(おもてあみ)」と「裏編み(うらあみ)」の二つの組み合わせでできています。表編みだけを繰り返すと、伸縮性のある「ガーター編み」になります。表編みと裏編みを一段ごとに交互に繰り返すと、滑らかで平らな「メリヤス編み」が完成します。
100均毛糸で作る簡単ハンドメイド小物レシピ
かぎ針編みの入門に最適!四角いコースターの作り方
土台作り(作り目)まず、作りたいコースターの幅になるまで「鎖編み」を編みます。例えば、15目ほどでちょうどよいサイズになります。これが編み地の土台です。
一段目を編む、鎖編みを一つ編んで立ち上がり(編み地の高さを出すための工程)、土台の鎖編みの裏側にある小さな突起(裏山)を拾いながら、細編みを15目編み進めます。
二段目以降、次の段も同様に、鎖一つで立ち上がり、編み地を裏返します。前段の細編みの頭にある二本の糸に針を入れながら、細編みを15目編むという作業を繰り返します。好みの正方形になるまで段数を重ねたら、最後に糸を長めに残してカットします。この残した糸を、とじ針を使って編み地の中に隠す「糸始末」を丁寧に行えば完成です。
棒針で挑戦!暖かいガーター編みミニマフラー
道具と毛糸の選び方、ざくざくと早く編み進められるよう、太めの棒針と、100均の極太毛糸(アクリルやウール混)を選びましょう。
作り目、作りたい幅の目数(15目から20目程度)を針にかけます。初心者には「指でかける作り目」が比較的簡単でおすすめです。
表編みの繰り返し、作り目ができたら、あとはひたすら「表編み」を繰り返します。一段編み終わったら、編み地を裏返して、次の段もすべて表編みで編み進めます。まっすぐ同じ幅で編み続けることを意識して、首に一巻きできる程度の長さになるまで編みます。十分な長さになったら、「伏せ止め」という方法で編み終わりを処理すれば、可愛らしいミニマフラーの完成です。100均の毛糸なら2〜3玉ほどで完成するので、色違いでいくつか作るのも楽しいですよ。
もっと楽しむためのヒント
ダイソーやセリアの手芸コーナーには、毛糸や針以外にも、編み物をサポートする優れものが豊富にあります。複雑な模様や段数を間違えないようにする「段数マーカー」や、編み目の始まりに印をつける「目数リング」など、細かい作業を助けるアイテムが手軽に揃います。毛糸の絡まりを防ぐ「毛糸ストッカー」の代わりになるカゴや、編みかけの作品と道具をひとまとめにする「プロジェクトバッグ」として使えるポーチなど、おしゃれで実用的なアイテムを見つけることで、編み物へのモチベーションがさらにあがるでしょう。
実は、編み物は単なる趣味ではなく日々の生活に安らぎを与えてくれます。集中して手を動かすリズミカルな作業は、心を落ち着かせ、ストレスを軽減するリラックス効果やデジタルデトックス効果があると言われています。自分で編んだコースターやエコたわしなど、手作りの小物が日常で活躍する喜びは格別です。また、大切な人を思い浮かべながら心を込めて編んだ作品をプレゼントすることで、手芸があなたの暮らしを温かく、豊かに彩ってくれるでしょう。
まとめ
この記事では、100均のアイテムだけで「編み物」を始める方法について、道具の選び方から基本の編み方、そして初心者でも簡単に作れる小物の作り方(レシピ)までを、順を追ってご紹介しました。ダイソーやセリアには、初心者でも扱いやすいおすすめの道具や、驚くほどクオリティが高く高見えする毛糸が豊富に揃っています。かぎ針や棒針を使った基本的な編み方を少しマスターするだけで、コースターやマフラーといった実用的な小物が、あなたの手から生み出されるようになります。大切なのは、難しく考えずに、まずは「ちょっとやってみようかな」という軽い気持ちで手を動かしてみることがおすすめです。

