VRゲームは、一人で遊んでもその圧倒的な没入感に驚かされますが、その真価は「友達と遊ぶ」ことでこそ発揮されます。仮想空間でアバターを介して出会い、声を聞き、身振り手振りを交えてコミュニケーションをとる体験は、従来のオンラインゲームとは比較にならないほどの「一緒にいる感」を生み出します。しかし、いざマルチプレイをしようにも、どのゲームが本当に盛り上がるのか、自分たちに合っているのか、迷ってしまうことも多いでしょう。
この記事では、VRで友達やフレンドと遊ぶことに特化し、心の底から「楽しい」と思えるマルチプレイVRゲームを、おすすめランキング形式で詳しくご紹介します。協力プレイで絆を深めるもよし、対戦で熱く火花を散らすもよし。この記事を読めば、あなたのVRライフを何倍にも豊かにする一本がきっと見つかります。
VRマルチプレイが従来のゲームと決定的に違う理由
なぜ、VRでのマルチプレイはこれほどまでに人々を魅了するのでしょうか。それは、単に同じゲームを遊んでいるというだけでなく、同じ「空間」と「時間」を共有しているという感覚が、他のどのエンターテイメントよりも強烈だからです。そこには、現実世界でのコミュニケーションに近い、あるいはそれを超えるほどの体験が待っています。
まるで隣にいるかのような「ボイスチャット」の臨場感
VRマルチプレイの核となるのが、ボイスチャット機能です。しかし、これは単なる音声通話ではありません。多くのVRゲームでは、相手のいる方向から声が聞こえ、距離が離れれば声は小さくなります。アバターが声に合わせて口を動かし、コントローラーの動きがそのまま手の動きとして反映されるため、相手の感情やニュアンスが驚くほどダイレクトに伝わります。遠くに住んでいてなかなか会えないフレンドとも、まるで同じ部屋に集まって遊んでいるかのような、温かいコミュニケーションが生まれるのです。この「実在感」こそが、VRマルチプレイ最大の魅力と言えるでしょう。
同じ空間で生まれる「協力」と「対戦」のドラマ
VR空間では、物理的な一体感が生まれます。例えば、協力プレイ(Co-op)で強大な敵に挑む時、背中を預け合い、ボイスチャットで「右から来るぞ!」「回復お願い!」と叫び合うスリルは、VRならではのものです。困難を一緒に乗り越えた時の達成感は、現実世界でのスポーツにも通じるものがあります。一方で、対戦ゲームでは、相手の悔しがる身振りや、勝利を喜ぶダンスを目の当たりにできます。画面越しではない、生身(アバターですが)の反応が、ゲームを一層ドラマチックにし、友達との忘れられない思い出を刻み込みます。
私たちに合うのはどれ? マルチプレイVRゲームの選び方
一口にマルチプレイVRゲームと言っても、その内容は多岐にわたります。せっかく友達と時間を合わせても、選んだゲームが自分たちの遊び方に合っていなければ、楽しさも半減してしまいます。ここでは、後悔しないゲーム選びのために、押さえておきたいポイントを解説します。
遊び方のスタイルを決める「協力」「対戦」「交流」
まずは、友達と「何をして遊びたいか」を明確にしましょう。共通の敵に立ち向かい、一体感を味わいたいのであれば「協力プレイ(Co-op)」が中心のゲームがおすすめです。もし、お互いの腕を競い合い、熱く盛り上がりたいのであれば「対戦」要素の強いゲームが良いでしょう。また、特定の目的や勝敗を決めず、ただ集まっておしゃべりしたり、気軽にミニゲームを楽しんだりしたい場合は、後述する「ソーシャルVR」や、ワイワイ楽しめる「パーティーゲーム」が最適です。自分たちの関係性やその日の気分に合わせて、最適なジャンルを選びましょう。
機器の壁を越える「クロスプレイ」対応の確認
非常に重要なのが、この「クロスプレイ」に対応しているかどうかです。VR機器には、Meta Questシリーズのような単体で動くものもあれば、高性能なPCに接続して遊ぶPCVR(Steam VRなど)もあります。もし、あなたがQuest 2を、友達がPCVRを持っていて、クロスプレイ非対応のゲームを選んでしまったら、二人は一緒に遊ぶことができません。最近は対応しているゲームも増えてきましたが、購入前には必ず、自分とフレンドが持っている異なる機種間でも遊べるかどうかを確認することが、楽しいマルチプレイへの第一歩となります。
初心者と「VR酔い」への配慮
VRゲームに慣れていない友達を誘う場合、忘れてはならないのが「VR酔い」への配慮です。VR酔いは、視覚情報と三半規管から得られる情報がズレることで発生しやすく、特に激しい動きや、スティック操作でのスムーズな移動(歩行移動)があるゲームで起こりがちです。初めてのマルチプレイで友達が酔ってしまい、VR自体が嫌いになってしまっては元も子もありません。最初は、移動が少ないゲームや、ワープ(テレポート)移動が選択できるゲームを選ぶなど、VR酔いしにくいタイトルから始めるのが賢明です。
【協力プレイ編】絆が深まる!おすすめCo-opゲームランキング
まず第3位の「Walkabout Mini Golf」は、VR酔いの心配がほとんどなく初心者でも楽しめる、ミニゴルフをしながらリラックスした雰囲気でボイスチャットを楽しむことに特化したタイトルです。単なるゲームを超えた、友達とのたわいもない雑談を重視する方におすすめです。
次に第2位の「Demeo(デメオ)」は、テーブルトークRPGをVR空間で再現した戦略ゲームです。プレイヤーは異なる役割のキャラクターとなり、チーム戦として知恵を絞りながらダンジョン攻略を目指します。時間をかけてじっくりと協力プレイの達成感を味わいたい場合に最適です。
そして第1位の「After the Fall」は、迫りくるゾンビの大群を最大4人で協力して倒す王道のシューティングゲームです。ボイスチャットで緊密な連携を取りながら、互いにカバーし合うスリルと興奮が魅力で、クロスプレイにも対応しているため機種を気にせずフレンドと一緒に遊ぶことができます。
【対戦・パーティー編】盛り上がり最高潮!おすすめ対戦ゲームランキング
第3位の「Beat Saber(ビートセイバー)」は、リズムゲームでありながらマルチプレイモードでスコアを競い合うことができるパーティーゲーム要素も持つタイトルです。プレイ後のボイスチャットでの感想戦も楽しく、運動不足解消にもつながる一石二鳥のゲームです。
第2位の「Blaston(ブラストン)」は、1対1の真剣勝負(デュエル)に特化したシューティングゲームです。飛んでくる弾を体全体を使って避けるアクロバティックな攻撃が特徴で、対戦相手との緊迫した駆け引きを楽しみたい方におすすめです。
そして第1位には「Pavlov VR(またはContractors)」がランクイン。これは本格的な対戦型FPS(一人称視点シューティング)であり、ボイスチャットを駆使したチーム戦で高い戦略性が求められます。VRならではの深い没入感とリアルな緊張感を味わいながら、フレンドと一緒に白熱した対戦を楽しめます。
【番外編】ゲームの枠を超える「ソーシャルVR」という選択肢
ランキング形式のゲームとは別に、VRマルチプレイの大きな柱として「ソーシャルVR」があります。これは、勝ち負けやクリア目的を持たず、仮想空間に集まり、交流すること自体を目的としたプラットフォームです。
その代表格である「VRChat」は、ユーザーが作成した無限のワールドを探索し、自由度の高いアバターでフレンドと雑談したり、イベントに参加したりできる空間です。まるで仮想空間で日常を過ごすような、新しい形のコミュニケーションと「溜まり場」を提供してくれます。
一方、「Rec Room」は、VRChatよりもゲームや遊びに重点を置いており、ペイントボールやドッジボールなどのパーティーゲームが豊富に用意されています。特に魅力的なのは、VR機器だけでなく、スマートフォンやPCからも参加できるクロスプレイに対応している点です。VRを持っていない友達とも一緒に遊べるため、マルチプレイの輪を広げるのに非常に優れたプラットフォームと言えます。
まとめ
VRゲームにおけるマルチプレイは、単なる追加機能ではなく、その体験の核心をなすものです。現実世界で友達と集まって遊ぶ楽しさを、VRは時間や距離の制約を超えて実現してくれます。
今回ご紹介したゲームは、その中でも特に「友達と一緒に遊ぶ」ことで輝きを増すタイトルばかりです。スリル満点の協力プレイで絆を確かめ合うもよし、白熱の対戦で笑い転げるもよし、あるいはソーシャルVRで穏やかな時間を共有するもよし。あなたとあなたのフレンドに合った遊び方が、VRの世界には必ず存在します。
この記事を参考に、ぜひ勇気を出してフレンドを誘ってみてください。そこには、一人で遊んでいただけでは決して見ることのできなかった、VRゲームの新たな扉が開かれているはずです。さあ、今夜はどの世界で待ち合わせをしますか?
  
  
  
  